先月のコラム「男と女の噛み合わせ」では、患者さんからメールを頂くことがありました。
反応を頂けると私も嬉しく、歯の噛み合わせだけでなく、人間関係の噛み合わせも大事なことなんだと改めて再認識させて頂きました。
男と女は異性人同士。
わかりあえなくて当たりまえ。
分かり合うのではなく、相手の頭の中を知るということが大事です。
これは夫婦や恋人同士だけの話ではなく、職場の問題でも同じことが言えます。
今の時代、男だけの職場、女だけの職場というのは少なくなっています。
異性同士が同じ職場で働いています。
全く異質なもの同士が同じ場所で何の事前周知もないまま一緒に働いているわけです。
男は女になれませんし、女は男にはなれません。
それゆえに、異性の感覚を知り、「ああ、こんな時にはこう思う生き物なんだ」と事前に知っておくって、大事です。
男と女は凸と凹ですので上手に噛み合った時、最高のパフォーマンスをストレスなく発揮できるように神様は作ってくれていると私は思います。
今は凸凸、凹凹になってしまっていることがあまりにも多く、不要な精神消耗を起こしているのです。
先に知っておくことです。
異性とはこういう存在なんだ、ということを。
知っておけば驚きませんし、恐怖することもありません。
とことでみなさんは、「夫源病」という言葉をご存知でしょうか?
「妻の病気の9割は夫がつくる」という本がでています。
夫の何気ない言動が一緒に暮らす妻の大きなストレスとなりさまざまな不定愁訴を引き起こし、さらには取り返しのつかない大きな病気にまで悪化していくというものです。
妻と夫が逆転している場合ももちろんあるでしょう。
しかし、かつての日本女性は、不満があっても自分の中で押す、我慢強いタイプの女性が多いです。まだまだ良妻賢母型の女性はたくさんいらっしゃいます。
我慢に我慢を重ね、病気になってしまってはもともこもありません。
相手を知り、上手に対策を立てることが大事です。
では、夫のどんな言動が妻の健康に影響を与えるのか本の中から抜粋してご紹介します。
面白くて笑えます。
■妻の話を聞かない
女は本能的にしゃべりたい生き物です。
今日あった出来事や、相談事などを話した時に「で、何が言いたいわけ?」「結論から言ってよ」「で、俺にどうして欲しいわけ?」と言われると、ちゃんと話をきいてくれないと不満がたまります。
■洗面台はビチャビチャ、服は脱ぎっぱなし
我が家もです・・・・
■「家事もやっている」と偉ぶる
自分が気が向いた時だけ料理をして、後かたずけは妻まかせ。かえって台所がぐしゃぐしゃに。にもかかわらず周囲には、「家では料理もやってる。家事は嫌いじゃない」と話している。
■自分は夜遊びするのに妻には許さない
■妻の誕生日や記念日を覚えていない
たしか、結婚する前は誕生日にはプレゼントを送ってくれたはずなのに・・・・。
男性に悪意はありませんが、妻は単純に「愛情が減った」と受け止めます。
■「誰に食わせてもらっているんだ」が口癖
妻が言われて一番嫌な言葉ナンバー1ではないでしょうか?(笑)
妻は当たっているがゆえに何も言えず我慢と悔しさで内臓が煮えくり返るのです。
■高熱で寝込む妻に「飯は?」と詰め寄る
はい、これ(笑)信じられませんが、よくある話です。弱っている時に、「ご飯は?」と言われると情けなくなってしまうのですが悪気はないのが男性です。
■子どもの悪い部分は「すべておまえのせい」
子供のことはお前にすべてまかせた、と言っておきながら、問題が起こると「お前がちゃんとしつけてないからだ」と責める夫(――:)
よくあります。
■姑が言いたい放題でも見て見ぬふり
見て見ぬふりをしていると、妻は次第に、姑よりも自分の味方をしてくれない夫に対して不満や不信感を募らせます。
本当に些細なことですが、私は自分の両親はまさにこの「夫源病」にあてはまるモデルケースのようでしたのでこの本を読んだ時には、大笑いしました。
30年前にこの本があれば両親に渡してあげたのに・・・・と。
私の母は父と暮らしている時は本当に不定愁訴の総合商社のようなものでした。
父が帰ってくる足音を聞くと頭痛がしてきたり、肩こりがひどく当時小学生だった私は母の肩をよくもんでいたのですが鉄板のようにカチコチだったのを覚えています。
子供心に「お母さんははやく死んでしまうんじゃないだろうか」と本気で心配したものです。
私の両親は私が高校2年の時に離婚したのですが、今思えばお互いがお互いの違いをあまりにも知らず自分の当たりまえを相手に押し付けていたがゆえにお互いで心を殺しあっていたように思います。
男は女を学び、女は男を学ぶ
これは夫婦や家族だけにとどまらず職場にも必要です。
たとえば、職場で活用する場合です。
私達の医院には男性の歯科医師2名、院長と新枝先生がいます。
あとは皆、女性です。
患者さんも女性が多いのです。
男性はどうしても理屈優先になって患者さんに説明してしまう時があります。
「正しいことを教えてあげなければ今後大変なことになる」という想いから一生懸命理屈を説明します。
しかし、相手が女性の患者さんだった場合、「そんな説明より今私がつらいことをなんとかして欲しい」と訴えます。
女性というのはまずは、自分の話を聴いて欲しい生き物です。
自分の感情を聴いて欲しいのです。
それがまずは入口です。
だからこういう時には、「一生懸命耳を傾ける」「気持ちに共感する」ということが正解です。
「話をじっくり聴く」「共感していく」という関所を越えてゆるやかに最初に扉が開くのです。
扉が開いたところで、次に理屈が入るのです。
しかし男性はえてしてこういう場合、共感を飛び越えて理屈で説得しようとしてしまいがちです。
話せばわかる、と一生懸命材料を用意して説明をするのです。
残念ながらそこではまだ相手の心の扉は開いていないのに、です。
ここにもまた男女の感覚の壁があるのです。
しかしこの「共感する」ということが男性にはとても難しいことなんだと私は最近知りました。
共感する、という行為を具体的に教えて欲しい。
という男性がたくさんいたから、です。
女性に言わせてみれば、「共感は共感なのよっ!!」「なんでわからないの!」となるのですが、そこで怒ってはいけません(笑)
「ああ、そうか、共感ということがイメージできないんだな。じゃあ具体的にやってみてあげよう」という流れになるのが今の吉本歯科医院です(^^:)
本来教育とはこういうものであるべきだ、と私は思います。
「なんでわからないの!」と腹を立てるのではなく
「やってみせて、何度も何度も繰り返しできるまでやってみせる」です。
では共感の会話を実際にご紹介しましょう。夫婦編です。
女「ちょっとお、今日ねえ、大変な目にあったんよ~」
男「そうなの?何があったの?大変な目って」(繰り返す)
女「うん、あのね、車のドアを開けた時に思い切りあけちゃって隣の車にぶつけちゃって傷つけてしまったんよ~」
男「ぶつけちゃったの?それは大変だ。」(繰り返す)
女「そうなのよ~。それからさ、相手の車の人が怒って出てきてね」
男「うんうん、相手の人が怒ってでてきて、それからどうなったの?」(繰り返す)(質問する)
女「うん、明らかに怒ってたんだけど、私が一生懸命ごめんなさい!ごめんなさい!修理させて頂きます!って必死で謝ってたら機嫌治してくれてね」
男「へ~、そうなんだ、一生懸命謝ったら機嫌治してくれたんだ。それからどうなったの?」(繰り返す)(質問する)
女「うん、それから機嫌も段々治ってきたみたいでね、傷もたいしたことないから修理しなくていいですよって」
男「そう。誠心誠意謝った気持ちが伝わったんだね。よかったね」(好意的に聴いていることを伝える)
女「うんまあね、でも、どうなるかと思ったわよ」
男「そうだね、大変だったよね。疲れたでしょう?」
女「うん、でも、まあ大丈夫(^^)。これから気をつけるわ」
男「そうだね、何もなくて良かったよ。気をつけようね」(しめくくりはより好意的に)
いかがでしょう。
そんな面倒くさいことできるか!
忙しいんだけど・・・・(――:)
女の話につきあってるほどヒマじゃない
こんな声が聞こえてきそうです。
話の途中で疑問や反論がわいてきても、まずは後回しです。
ぐっとこらえてひたすら好意的に聴く
これが共感です。
ただ黙って話をきくだけであれば今までもやってこられている方はいるかと思います。
ここでいう「共感する聴き方」にはポイントがあります。
それは、どんな言葉もまずは好意的に聴く
ということです。
これは訓練が必要です。
ためしに実際にやってみて下さい。
効果は絶大です。
人の話を反論もせず、つっこみもいれず、ただ好意的に一生懸命耳を傾ける、これは自分の方に余裕が無いとなかなかできない行為でもあるのです。
今は会話が続かないという男女が急増しているそうです。
キャッチボールができないから、です。
女性はキャッチボールをしたがっているのです。
一方的にボールを受け取るだけではなく、私が投げたこのボールもあなたに受け取って欲しいと切に願っているのです。
そしてまたボールを返して欲しいのです。
そうやって関係を続けていきたいのです。
一方的なコミュニケーションは人から元気を奪います。
キャッチボールがずーっと続いている時、女性は安心するのです。
男は女を学ぶ、女は男を学ぶ
ぜひ職場でも、そして学校でも取り入れて欲しいと思うのです。
子供達にも大きくなる前に教えておきたいことです。
次回母性型勉強会は
3月27日(水)午後6時半~ 高松国際ホテルにて
http://www.boseinomonosashi.com/