インプラント治療を受ける前に患者さんが知っておくべき事項があります。
知っておくだけで、あなたの将来起こるであろうトラブルから守られます。
理由を今からお話します。
先日、5年以上前に他医院でインプラントをした患者さんがお越しになられました。
インプラントを入れた部分の被せモノが外れて困ってしまったとのことでした。
インプラントを入れた部分の歯茎は真っ赤に腫れています。
咬むと顎が痛い。
頭痛がひどい。
こんな状態になってしまって、「なんとかして欲しい」というご相談です。
このようなご相談は日常的によくあるご相談です。
インプラント治療をされた医院さんへまずはご相談下さいと申し上げました。
しかし、残念ながら、コミュニケーションギャップや、治療への不安などから元の医院さんにご相談に行きたくない、という方はとても多いのです。
本来は、インプラント治療をされた先生に、修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。その理由はあとでお話します。
では、せめて、インプラントをされた医院さんへ下記の5つだけでも教えてもらえるように確認して下さい、と患者さんにお願いしました。
患者さんが、インプラントをされた医院さんへ相談へ行くと、こう言われました。
「5年前のカルテですので、もうありません。」
確かにカルテは5年間保存が法律で義務づけられています。
なので、5年すぎたカルテは廃棄したとしても法律には反していません。
しかし、インプラントは5年、10年、15年、20年とその後の患者さんの寿命が続く限り、お口の中に入っているものです。
インプラントは本来、治療後何かトラブルがあった場合には、インプラントをされた先生に一貫して修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。
その理由を、お話します。
また、こんな状況になってしまう前に、どうぞ知っておいて頂きたいのです。
そして、正しい知識を得てください。
ある患者さんは3年前に他医院で下顎部分にインプラント治療をされました。
しかし、最近になってインプラントを埋入した部分が腫れて痛みが出るようになりました。
レントゲン写真を撮影し、詳しく骨の状態を拝見するとインプラントを埋入した周囲の骨が溶けてしまっていました。
バイ菌が入り込み炎症を起こしています。
インプラントはただのネジです。
元々の自分の歯ではありません。
元々の歯のように抵抗力も自己防御機能である免疫もありません。
様子をみていれば落ち着く、良くなるということはまったくありません。
異物なのです。
インプラントを埋入し、被せ物の歯が入ればそれで「完成!」と思っておられる方はとても多いです。
特にトラブルを起こし、「どうにもならない状態」で当院に駆け込んでこられる方も少なくは、ありません。
今回の患者さんのインプラントトラブルは
メインテナンスを怠ったためにバイ菌が繁殖し、インプラント周辺の骨が大きく溶けてきたことによるものです。
最近、インプラント治療による事故がマスコミに取り上げられています。
そのトラブルは
ことなどです。
などです。
問題が起こっているには必ず原因があります。
では、インプラントが故障したり、トラブルがあったりした場合に
「はずせばいいではないか?」
「もう一度やり治せば良いではないか?」
と単純に思いませんか?
保障もついているから。
しかし、そのように単純なものでは、ないのです。
インプラントはただのネジです。
まずはそれを知って下さい。
そのインプラントとなるネジを製造しているインプラントメーカーというのは国内で50社、海外では200~300社にのぼります。
主流なメーカーのほとんどが、外資系の会社です。
世界情勢に詳しい方ならすぐにご理解いただけるかと思いますが、外資系企業は
M&A(つまり、企業の買収や合併)が盛んに行なわれています。
今では日本も珍しい話ではなくなりました。
インプラントメーカーも例外ではありません。
これだけ多くのメーカーがあれば合併されたり、会社が消滅するなどの浮き沈みがあるのが現状です。
このことは患者のみなさまにとっても知られざる気になる問題を含んでいます。
それはそのメーカーのインプラント医材がなくなり、いざという時に再治療ができなくなる可能性がないとは言い切れないのです。
こんなことを体験したことはありませんか?
電化製品を長く使っていると、一部が壊れ、その部品を取り寄せようと思っても
その製品が製造中止になり、部品がないということが。
去年買ったばかりのカメラなのに、もう今年はないよ、吸収合併されちゃった、という会社は珍しくはありません。
また、会社が倒産したと同時にもう「今ではその商品は製造中止になりました」ということはよくあります。
さあ、そこで考えて下さい。
もしあなたの口の中に埋め込んだインプラントのメーカーが、すでにもう倒産して消えてなくなっている商品のインプラントだとしたら、どうでしょう?
もし、何かしらの故障や不具合があった場合に「一旦インプラントを外さないといけない」状況になった時、インプラントをはずすことさえ、できません。
先ほども申し上げましたとおりインプラントはただのネジだから、です。
ネジを外すにはそのネジを外すための同一メーカーのドライバーが必要なのです。
ご自分が入れたインプラントメーカーがどこのメーカーのものかによって修理ができる場合とできない場合が、あります。
車に例えてみましょう。
あなたの車がベンツだとしたら、故障した時にはベンツの部品を使って修理しなくてはなりません。
ベンツにはベンツ専用の部品があるのです。
トヨタの車にはトヨタ専用の部品を使って修理しなくては、なりません。
インプラントもネジですが、インプラントと被せ物の歯も「ネジ」で固定されています。
修理したり、深部まで掃除したりするにはネジをほどいて、被せ物を外して掃除する必要があります。
しかし、そのネジを外すドライバーというものが、各メーカーにはあります。
各メーカーは自社の商品を使い続けて欲しいので、ネジ山を特殊形状にして他社のドライバーでは外せないようにしています。
つまり、メーカーが違うとネジを外すことさえ、できません。
吸収合併を繰り返してきたメーカーの中には同一メーカーでありながら何種類もドライバーが存在している場合もありますし、すでに製造を中止している部品もあります。
骨を大きく削ってインプラント本体を外す対応しかできないことまでありえます。
その先生がどこのメーカーのインプラントを埋入するのか?ということは実は将来的にはとても大きな問題です。
インプラントをする際には、10年後や20年後や将来、もし「インプラントを外した方が良い状況になった時に修理ができるのか?」というこの視点を持って選択する必要があります。
修理修復ができるのかどうか?ということです。
現代は100歳以上の方が何万人も生活されていらっしゃいます。
本当に10年後にはお亡くなりになられていますか?
寿命がきていますか?
「もうトシだから」と簡単にこの言葉をお使いになられていませんか?
本当に50年後にもそのインプラントメーカーは倒産していませんか?
ドライバーを取り寄せられますか?
引越し等でメインテナンスに通えなくなった場合に、引越し先の近隣でメインテナンス可能な医院がありますか?ぜひご紹介していただいてくださいね。
せめて、下記の5点だけでもいいので教えて頂いて
このことが判っていれば自医院で対応できるのか?
対応できないのか?判断できます。
また、先ほどの患者さんですが、インプラント治療がいったん終了すれば、それでもう大丈夫、と思われてしまっていたことにも問題があります。
最初の2年はメインテナンスに通われていたそうです。
2年間大丈夫だったから、先生が大げさに言っているだけで、きっともう大丈夫に違いないと思われてしまっていたそうです。
インプラントはご自分の歯と同じく死ぬまでメインテナンスをする必要があります。
また、インプラントトラブルの8割は2年以内に起こっています。
私の医院では、インプラント治療を行なった患者さんには終了後すぐは
1ケ月ごとに経過を診させて頂いております。
その後、半年、1年、2年目3年目と、レントゲンで骨の状態を確認しながら
状態が安定するのを確認しています。
特に症状が無くてもです。
状態が悪くなっていたとしても、インプラントはご自身の歯のように痛いや凍みるなどのように自覚症状として警告を発してくれません。
インプラントはただの「ネジ」だから、です。
ただのネジなので痛くもかゆくもしみることも、ないのです。
だから、怖いのです。
周囲の歯ぐきや隣の歯にまで影響が及んではじめて患者さんは自覚症状として気づくことができます。
メインテナンスにきちんとお越し下さらないまたは、メインテナンスの必要性をご理解いただけない場合には手術を行なうことはできません。
それは必ずトラブルの原因となるから、です。
インプラント治療なんか受けなければよかったとなるから、です。
どうぞ、知って下さい。
インプラントは完成したら、終わりではありません。
歯と同じく、あなたが死ぬまで、そのインプラントを使い続けるまで定期的なプロによるメインテナンスが必要なのです。
次に、他の部分の治療についてです。
インプラント治療をした以外の部分を治療された場合には、必ず早急にインプラント治療をした医院で
噛み合わせのチェックを受けてください。
マウスピースの調整を受けてください。
一見関係ないように思えるかもしれない他の歯のことです。
全く違う部分の虫歯治療くらい関係ないだろう、と思われると思いますが実は関係あるのです。
ご自身の歯は一生動き続けますが、インプラントは全く動きません。
吉本歯科医院でのインプラントはお口の中の状況に応じて適切な噛み合わせに調整されています。
他の歯の状態が変化しないのを前提に調整されています。
他の歯と同じように違和感なく当たるように調整したのでは、インプラントが折れてしまうこともあります。
インプラントに何かがあってからでは復旧不可能なのです。
インプラント治療をする前に、以下の5つを確認しておいて下さい。
吉本歯科医院のインプラント画像解析システム
従来のインプラント治療は「やってみなければその結果が分からない」という、賭けに近い治療であったことは否めません。
大きなリスクを抱えた治療でした。
なぜそのようなことが行われているかというと、
手術となって「歯茎を開いてみないと、インプラントをうまく植えられるかどうかわからない」というのが歯科医師の現実だったからです。
ある意味、これまでのインプラントの治療は「やってみなければその結果が分からない」という、賭に近い治療であったことは否めません。いざ手術となって歯茎を開いてみないと、うまく植えられるかどうかわからないというのが歯科医師の現実だったからなのです。
今までの歯科の治療では、「レントゲン一枚」で手術に望みます。
さらに下顎神経を傷つけるというリスクが発生します。
下顎には下顎神経といって重要な神経、血管が通っています。
万が一この神経や血管を傷つけたり、あるいはインプラントによって圧迫してしまったり、あるいは最悪、神経を切ってしまった場合には、顔がしびれる後遺症が残ったり、顔の感覚がなくなったりもします。
ここで「平面写真」と「現実の立体物体」の差について、写真を交えて説明します。
下の写真をご覧下さい。
正面から撮影した手ですが、指が2本見えています。
そして次の写真をご覧下さい。違う方向から撮影したら指は3本うつっています。
さらに一本目と二本目との間隔は開いていますが、二本目と三本目との間隔はほとんどないことがわかります。このようなことが現実に歯科の治療現場で起きているのです。
このように平面画像で見た場合だけでは、実際の物体がどうなっているのかを正確に捕らえることができないということが言えます。
平面写真やパノラマレントゲンの写真だけでは「開いてみないとわからない」「インプラントを埋めてみないとわからない」ということが現状でした。
「私は名医なので、レントゲン一枚で手術は大丈夫です。3次元で把握できなくても、開腹後の勝負で大丈夫です。」(医師A)
このようなことを言われて、インプラント手術に望む方が決して少なくありません。
吉本歯科医院では、インプラント治療の前に必ず次の検査を受けていただきます。
レントゲン写真だけでは絶対にわからない、3次元の患者さまのお口の様子が見えるからです。
普通、歯科医院で撮影している「レントゲン写真パノラマ」というのがこのような写真です。
横面から撮影していますので、平面しか見ることはできません。
では、CTで撮影したものがどう見えるのかご覧下さい。
まだまだ、神経や血管の位置がよくわかりません。
神経、血管は大きいものが一本と言われていますが、実際は個人差があり、小さい血管神経も含めると、複数あると報告されています。
実際にCTで撮影し、「CTデータ3D立体構築画像変換検査」したものがどう見えるのがご覧下さい。CTデータ3D立体構築画像変換検査した場合、3次元でどこにどのようにインプラントを埋め込んでいけばいいのか、立体的に把握することができます。
CTデータ3D立体構築画像変換検査は患者さまの顎の骨や歯の状況を立体的に把握します。あらゆる角度から検討でき、インプラントの植え込み位置、角度などの事前シミュレーションが的確に行われ、数値化することができます。
CT撮影だけを行い、インプラント治療に臨む医院さんの場合、通常のCTでは数ミリの空洞をも見つけることはできません。そのため失敗に終ることがあるのです。
「当院ではインプラント治療の際にCTを撮影しています」といううたい文句もよく見かけますが、それだけでは不十分であるといえます。
インプラント手術を行う前には、CTデータ3D立体構築画像変換検査で血管・神経の正確な位置の把握とばい菌の塊の位置などについても把握する必要があります。
各社から販売されている歯科用コンビームCTでは、0.1ミリ単位の精密な画像を得ることはできますが、治療のためのCT値が表現できないのが現状です。
この下記の写真は手術前に行う、3D立体画像構築画面です。
この患者さまの下顎の骨、そして神経が見えています。
吉本歯科医院でインプラント治療を行う患者さまの顎の状態は、CT画像だけでなくここまで立体化されたものが手術前には手元にあり、シミュレーションを行ってから実際の手術に入るような流れをとっております。
さて、この写真、黄色くうにょうにょとしているのが神経です。
本来骨の厚みがある患者さまの場合は神経の黄色い部分は骨の中に隠れているため3D立体画像で真上から見た場合かくれて見えません。
この方の場合、骨が神経の出口(オトガイ孔)まで磨り減ったためにこのように写ります。
なぜここまで骨が磨り減ってしまったのか?
それは長年「合わない」入れ歯を使い続けてきたことが原因です。
この患者さまは吉本歯科医院に出会うまでに、数々の歯科医院へ通い、そして数十個の入れ歯を作成されていました。もちろんその入れ歯は保険外診療で作られたものです。その費用を考えた時、一千万円はかかっていると思います。
さて、この神経は、ちょっと難しいんですが、下歯槽管(かしそうかん)神経といい神経、血管が入っているトンネルのような管です。
オトガイ孔はその出口です。
左右片側の下唇および、オトガイ孔の皮膚の知覚を司る神経です。
もし手術であやまってこの神経を損傷すると、下唇およびオトガイ部が麻酔がかかったようにしびれてしまいます。
インプラント手術をしたあと、「顔がしびれだした」といった症状はこの重要な神経に傷をつけてしまったことによって起こります。
この中で、インプラントにおいて執刀する歯科医師が最も留意しなくてはならないのが下歯槽管神経との距離なのです。
インプラント体で下顎骨の中を走る神経やオトガイ孔から出た神経を傷つける可能性があるため手術の前には必ずCT撮影をし、適正な長さのインプラント体の選択が必要となります。
従来のインプラント手術ではパノラマレントゲンを参考にして手術をしますが
なんといってもそれは平面図ですので、立体的に把握することは不可能です。
当然間違いが起こります。
私はよくこんなお話を患者さまにします。
あなたご自身が胃がんで主治医から説明を受けていると、想像して下さい。
医師A「私は名医なので、レントゲン一枚で手術は大丈夫です。3次元で把握できなくても、開腹後の勝負で大丈夫です。」
医師B「私は名医です。しかし、あなたの安全と安心のためCT撮影をし、検査費用はかかりますが、精度が高く安全に手術に望みます。それ程重要なことなのです」
あなたはどちらの医師に命をかけた手術を依頼するでしょうか?
吉本歯科医院では、インプラント治療の前に必ず、血液検査、心電図検査、CT検査そしてCTデータ3D立体構築画像変換検査を受けて頂きます。
CT撮影だけでは不十分な部分をこの3D立体構築で把握します。
それはレントゲン写真だけでは絶対にわからない、3次元の患者さまのお口の様子が見えるからです。
私は、インプラント治療をはじめて以来、この工程を抜いて治療を行ったことはありません。
しかし、まだ日本では普通に、歯科医院でこのパノラマレントゲンだけでインプラント治療に臨む先生も多くいらっしゃいます。おそらく8割くらいはそうでしょう。
今後、インプラントによる医療事故はさらに増えると予想されます。
たんに、インプラントが駄目になった、折れた、はずれた、ということだけでなくインプラント手術によって神経が麻痺した、などといったことまで当然起こってくることでしょう。
それらすべては、執刀する歯科医師の技術の程度の問題、以前に「患者さまの安全のためにやるべき工程をとっているかどうか」にかかっている、と私は思います。
吉本歯科医院でのインプラント手術は、通常の歯科医院が提示している価格よりも高いと感じられると思います。
しかし、「想定される危険性の排除」を費用でカバーするといった吉本歯科医院の考え方をきちんとご理解される方が増えてこられた、ということは私にとってもとても嬉しいことでもあります。
私の診療理念は「私自身や私の家族、吉本歯科医院のスタッフにできる治療かどうか」があらゆる治療の基本にあります。
インプラント治療においてのCT撮影、画像解析、歯科麻酔医師による静脈鎮静麻酔、メーカーの基準など、絶対にはぶけない工程です。
たしかにそこをひとつひとつはぶいていくことにより費用は安くなります。
しかし、長い人生を考えた時、トータルの費用は決して安くはありません。
どこかの工程を省くことにより必ず故障が出てくるからです。
故障した時、どうしましょう?
やりかえたらいいでしょうかいいえ、やりかえることはできません。
一度植え込んだインプラントを外す時、その支えている骨を大きく削り取ってはずさなくてはなりません。
ただでさえ骨が少ないところをさらに骨を削らなくてはいけなくなってしまうのです。
インプラントをお考えの方は、10年後、20年後のことを見据えて治療をご検討されることを私はおすすめしております。
(1)CTスキャナーを使って患者さまの「骨の状態」「歯の状態」を撮影します
今まで合っていない入れ歯を使い続けたり、今まで受けた様々な歯科治療の結果、顎の骨の形がいろいろ変形し、ある部分は尖り、ある部分は陥没し、また、顎の左右や前後の骨のボリュームが違っていたり、また、顎の骨から神経の出てくる穴の位置を確認したりするために、CTスキャナーを用いて、顎の骨を立体で観察・診断します。
このCTスキャナーは医院から少し離れた場所にありますが、ほとんどの患者さまがご納得のうえ、検査を受けていただいております。
CTスキャナーで撮影すると、手術をし、歯茎を開いたあとの様々な問題をあらかじめ把握する事ができます。
吉本歯科医院にとって、インプラント手術になくてはならないのが、「CTスキャナー」での撮影です。
当院では東芝メディカルシステムズ株式会社製AquilionTM (アクイリオン)CTスキャナーでの撮影を患者さまにお願いしています。日本発で世界に誇れるCTスキャナーです。
通常の医科用CTでは、スライス(切断した画像間隔)が数ミリ以上でしか撮影することができません。しかし、アクイリオンでは、0.5ミリの間隔で撮影することができます。
この間隔で撮影できる最大のメリットはばい菌の塊を見つけることができるということです。インプラントを生めた場所にばい菌の塊が残らないようにする為、このスキャナーで撮影する必要があります。
最近では歯科専用CTスキャナーが各社から販売されており、歯科用コーンビームCTで0.1ミリ単位での精細な画像を得ることができるようになりました。しかし、歯科用コーンビームCTではCT値が全く表現できません。
これではインプラント手術に本当に必要な情報が片手落ちになってしまいます。
よって当院では近隣病院の支援を受けて東芝メディカルシステムズ株式会社製AquilionTM(アクイリオン)CTスキャナーによる撮影を行っています。
(2)撮影したCT画像を専門の画像解析センターをへて、CTデータ3D立体構築画像変換検査に移します
意図的傾斜埋入をインプラント断面で診断可能
インプラント体を中心とした断面が回転することで、隣在歯との相関やインプラント周囲の骨量と骨質を精度高く診断できるため、より安全な治療計画が立案可能になります。
ハンスフィールドユニット(CT値)によって骨質が診断可能
各2D断面をMischの分類(1993)に応じてカラーリング表示。インプラント断面を回転させながらドリル方向に沿った骨質診断を行い、安全かつ骨密度の高い位置への埋入シミュレーションが可能になります。
金属アーティファクトのない3D画像の実現
模型またはCTテンプレートをデータ化し、顎骨CTデータと合成することで金属アーティファクトのないクリアな3D画像を実現。事前に患者さまに詳しくご説明することが可能になります。
骨採取する骨量を測定可能
骨の少ない方に行なう手術、サイナスリフトやベニアグラフトなどにおいて、採取する骨の量を事前に測定することが可能になります。
(3)サージカルガイド、サージカルドリルの作製
CTデータ3D立体構築画像によりシミュレーションしたインプラントの埋入位置を高精度に反映した手術用テンプレートを作製します。
手術前に「どこの位置に、どの角度で、どの深さで」などといった細かいシミュレーションが行えます。
また、逆に言うとこのサージカルガイドにより、失敗しようがないほど正確な位置へインプラントの埋入を行なうことができます。
顎の模型とサージカルガイド
顎の模型にサージカルガイドをセットしたところ
従来の、開けてみてからどのあたりまで入れるかを歯科医師の感覚で決める、といったリスクの大きい治療とは根本から考えが異なるものです。
(4)顎の模型を作製
3Dデータから構築した画像を石膏による顎模型を作製します。
骨の状態・歯牙の形状をクリアに再現し、リアルな模型は手術前のイメージ確認やシミュレーションに使用します。
「インプラント」については、当院までお問い合わせください