過去に他医院でインプラント治療をお受けになった患者さまで、このような症状でお悩みの原因は下記の3つの原因が考えられます
インプラントは一度埋め込んでしまえば、その場から動くことはありません。
咬み合せ(歯並び)が悪いことによってもこのような症状が起こります。
しかし、ご自分の歯は常に一生動き続けています。数十ミクロン単位ですが、確実に動いています。
この事実を歯科医師からきちんと説明を受けていない患者さまが多くいらっしゃいます。
自分の歯は噛みしめたら動いていきます。
インプラントは全く動きません。
ですから軽くカチカチと噛んだ時にはインプラントと噛み合う自分の歯はしっかりその面が当たりません。
グッと噛みこんだ時に、インプラントに当たるように調整しなくてはなりません。
カチカチと軽く噛んだ時に、インプラントの歯が自分の歯と同じようにしっかり当たっているような調整の場合、グッと噛みこんだ時には、自分の歯は動きますのでそのほとんどの力をインプラントだけで支えることになってしまいます。
つまりインプラントに過度な負担となってしまい、当然このように被せ物が壊れたり、磨り減ったり、ちびてきたりします。
例えば左がインプラントで、右が自分の歯だった場合、右の歯に虫歯や歯周病などのトラブルが生じた場合、インプラントの咬合をわかっていない先生が治療を行なうと、左のインプラントに多大な力を加えてしまうことになりかねません。
つまりインプラントを治療した先生のもとで、他の場所の治療も行なわなければ「噛み合わせ(咬み合わせ)」はグチャグチャになってしまい、いずれインプラントも壊れてしまいます。
インプラントの治療を行った場合、定期的な「検診」「メインテナンス」は必須です。
インプラントが壊れる大きな理由の一つに「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスの悪さ」があげられますが、歯は常に動いている、という事実を考えると、定期的に検診を行なっていればどんどん変わっていく咬みあわせにも対応できますが、「インプラントが入ったからもう大丈夫」とばかりに検診を怠ると、このように大きな故障を引き起こします。
また、お口の中には数百種類のばい菌が無数に存在します。
そのばい菌は骨を溶かしますので、定期的に除去してやる必要があります。
ご自宅でのブラッシングはもちろんですが、ご自分だけでは除去しきれないばい菌は必ずいますのでプロによるケアは必ず必要なのです。
定期健診の重要性、そのことをインプラント治療を行った歯科医師は必ず患者さまにお伝えする義務があります。
インプラント治療の際に、上に被せる被せ物の素材をすぐに「ちびるもの」「壊れるもの」などを使った場合、このようなことが起こります。
患者さまのお口を拝見すると、悲しくなってしまうのですが、「なぜインプラントの被せ物にこんな素材を・・・」と驚くこともよくあります。
往々にして安価である、ということがその素材を選ぶ大きな理由ですが、このように壊れてしまえば結局高くなってしまうのではと思います。
インプラントに被せる被せ物の素材はたくさんありますが、強度、将来的な細菌の侵入度合い、審美、噛み合わせ(咬み合わせ)など全てに考慮して選択しなくてはなりませんし、歯科医師も正しい知識を持ち合わせていなくてはなりません。
また、ハイブリッドなどの安価な素材を使う場合には、「必ず2~3年ですりへってちびてきて金属が歯茎から見えてくる」という将来起こりうる可能性をお話する義務が歯科医師にはあると思います。
インプラントの被せ物に「ハイブリッドの素材」を使っています。
非常にやわらかい素材で出来ており、噛み合わせ(咬み合わせ)が強い部分には使用することは吉本歯科医院ではおすすめしておりません。
しかし、非常に安価であるという理由からハイブリッドを選択し、インプラントの被せ物として入れられている患者さまは多くいらっしゃいます。
このように2~3年で必ず磨り減ってちびてくるような素材をインプラントの被せ物に使用したことが原因で起こります。
インプラントにしても何にしても、歯科治療の成功の条件に「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランス」があります。
歯科治療において、最も重要なことは「噛み合わせ(咬み合わせ)」です。
さらに言うなら「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスが整っている」ということです。
いろいろな症状がありますが、その全ての大きな原因にこの「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランス」の悪さがあります。
例えば、「インプラントの周りの歯の骨が溶けてきた」、ことと噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さが関係するのかと申しますと、
噛み合わせ(咬み合わせ)が悪い、つまり歯が正常に並んでいないので、その歯並びの悪い部分には当然虫歯菌が溜まりやすく、いつもばい菌が住み着いている状態になっています。
ですので、噛み合わせ(咬み合わせ)が悪い方のお口の中は「虫歯でいっぱい」ということがよくあります。
骨を溶かすのはばい菌ですので、「噛み合わせ(咬み合わせ)」との因果関係は非常に大きいのです。
また、インプラント部分の歯が折れた、ということと噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さとの関係は、インプラント部分の歯が折れた、ということは、折れる前からもう既に折れやすい状態だった、ということが言えます。
つまり、インプラント治療の際に、噛み合わせ(咬み合わせ)を考慮した設計ではなかった、ということになります。
歯は28本が正常に並んで始めてバランスを保っています。
その中でどこかの噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスが崩れると、前歯が本来耐えうる噛む力以上の負荷がかかって噛んでいることになります。
ですので、日々の咬む力で少しずつ、前歯は折れやすい状態になっていっており、少しの衝撃、や少しの咬む力である日突然折れてしまいます。
正常な歯並びであれば歯はそうそう簡単に折れることはありません。
全ての治療において、「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスが歯科の治療には最もと大切である」と考えています。
ただ、噛み合わせ(咬み合わせ)の重要さは知識で理解はしてはいるけれど、実際に患者さまの噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスを正常に戻すことができる歯科医師はほんの少数だと思われます。
また、こういった歯科における技工物を作製する歯科技工士もほんの少数なのではないでしょうか。
どうして吉本歯科医院の歯科治療は、患者さまにとって最善の治療を提供できるのか、という理由は、
「噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスを正常にする」という大原則に基づいてすべての治療を行っているからです。
歯科の治療といえば「悪い部分だけど治す」または「美しく見せる」ということがあまりにも最終目的とされているように思います。
しかし、噛み合わせ(咬み合わせ)は体全体のバランスを取る要となっていると言っても過言ではありません。
噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さひとつで、体のバランスは面白いほど崩れていきます。
また噛み合わせ(咬み合わせ)のバランスを正常に戻すだけでまっすぐ歩けなかった人がまっすぐに歩けたりもするのです。
そういった意味で、私たち歯科医師は、お口の中で起こっていることを通して患者さまの体全体を「診る」といった視点が絶対に必要です。
吉本歯科医院ではあらゆる治療にこの考え方が基本としてあります。
「インプラント」については、当院までお問い合わせください