吉本歯科医院

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12 親知らず

親知らずって抜いた方が良いんですか?

親知らず抜歯をご希望の患者様へ

吉本歯科医院では、現在親知らずの抜歯は行っておりません。
香川県立中央病院歯科口腔外科、高松赤十字病院歯科口腔外科、屋島総合病院歯科口腔外科へのご紹介状をお出しさせて頂き、親知らずを抜歯して頂くようお願いしております。親知らずの抜歯が終了しました段階で、当院での歯科治療に移らせて頂きます。
香川県立中央病院歯科口腔外科、高松赤十字病院歯科口腔外科、屋島総合病院歯科口腔外科への受診は、ご紹介状が必要です。必ずご紹介状をお持ちになり受診されるようお願い致します。

私の医院では、「100%親知らずの抜歯」をおすすめしております。

吉本歯科医院へ初めてお越しになられた方で、親知らずを抜歯せずに残されている場合は私は、まずは親知らずの抜歯をおすすめしております。

親知らずに関しては、先生方によって賛否両論あります。
抜歯しなくてもよい、または抜歯するべきだ、とそれぞれです。
私の医院では、「100%親知らずの抜歯」をおすすめしております。

親知らずが原因で起こっている症状

  • 前歯が飛び出てきた
  • 奥歯が痛い
  • 歯並びが崩れてきた
  • 顎がいたい
  • 顎がかくかくする

など、親知らずが原因で起こっている症状は数えきれないほどあります。
上記のような症状が出た場合、患者さまは「まさか、親知らずが原因だったなんて!」とほとんどの患者さまは驚かれます。

しかし、親知らずを抜いてみると、顎の症状が改善されたりなど、奥歯の痛みが消えたりなどといったことが起こります。

顎関節症の症状など、スーッと消えてくる場合もあります。
これは顎の骨が親知らずがあることでスムーズに動かなくなっていたことが原因です。

親知らずが健全な歯並びを悪くし、かみ合わせを悪くします。

親知らずはもともと生えてくるスペースが小さいにもかかわらず、生えてきてしまいます。
となると、すぐ横の歯(健康なご自分の歯)を無理に押して出てくることがあります。
その親知らずが健全な歯並びを悪くし、かみ合わせを悪くします。
また、親知らずが斜めや真横に傾いて生えている場合は、かなり強い力で横の歯を押してきます。

そのことによってドミノ倒しのように健全な歯並びを乱し、少しの咬む力で前歯が折れてしまうことがあります。

「前歯が前に飛び出してきたので前歯を引っ込めて欲しい」といった患者さまのその原因となるものが
親知らずを放置しておいたことによる歯並びの悪さ」
というケースは決して少なくありません。

と言うより、こういうケースが本当に多いのです。

親知らずは虫歯になりやすい!?

また、親知らずは非常に磨きにくい場所でも、あります。
どうしても磨き残しができてしまい、虫歯になりやすい、場所であります。

親知らずだけが虫歯になってくれるのならいいのですが、虫歯菌は親知らずの隣の健康な歯まで虫歯菌をうつしてくれるからやっかいです。

なぜ、「親知らず」が噛み合わせを悪くするのか?

そもそも、歯は動くのです。ご存知でしたでしょうか?
歯は毎日少しづつですが、動いているのです。
固定されたまま、ということは絶対にないのです。

まずはそれを知って下さいね。
では、噛み合わせって、そもそもなぜ悪くなるんでしょうか?
その前に「噛み合わせが変わるの?」と思う方も多いと思います。
「歯が動くの?」
はい、歯は動きます。
では、どのぐらいの力で歯は動くと思われますか?

歯を動かすと言えば、「矯正歯科」「矯正治療」を思い浮かべられる方もいらっしゃるかも知れません。

このページをご覧の中には、矯正治療を受けられた方、いらっしゃるかも知れません。
実際自分の指で歯を押してみて、歯は動きますでしょうか?

動きません。
歯は「強い力」だからといって動く訳では無いんです。

歯は「瞬間的に強い力」が加われば、折れます。
では、どういう時に歯は動くんでしょうか?
それは「持続的な力」です。
長期間に渡る力です。
これが、歯を動かすこととなります。

例え「弱い力」、ほんの数十グラムであったとしても、持続的に力が加われば、歯は動いていってしまいます。
では、どういう事が原因で歯が動き出すのでしょう?

歯を動かす1番の原因は「親知らず」

まず、1番多いのが「親知らず」です。
「『親不知(おやしらず)』が生えていないから」もしくは、「痛くないから」と言う事で抜かずに放置しておいた場合、どうなるんでしょうか?

「何の問題も無く生えてくる方」確かにいらっしゃいます。
ですが、私が見ている限り、日本人においては「親不知(おやしらず)」はほぼ100%悪い事をする」と、今まで診させて頂いた患者さんの状況から判断をしています。

ほかの先生が「まっすぐ生えているから、抜かずに放置しておいても大丈夫」と言われた、なので残していたと言う患者さんもたくさんいらっしゃるんですけれども、実際レントゲンを撮って、その「生えている角度」であったり、その状況を見ると、ほとのどの場合、やっぱりズレています。

また、「親不知(おやしらず)を抜かずにおいておけば将来使えるかも知れない」その様な事でおいて抜かずにおいておかれた方もいらっしゃいます。

しかし残念ながら「親不知(おやしらず)」はもっとひどい事をします。

確かに「親不知」は残るかも知れません。
しかしながら、私、吉本が考えるには、他の歯に対して悪さをしない場合は別に抜かなくても良いと思います。

他の歯をどんどん悪くしてしまう「親知らず」

しかし、他の歯をどんどん悪くしてしまう原因となっている「親不知」に関しては、抜いた方が良いと思います。
「歯は抜いたほうが良いのか?」「おいて置いた方が良いのか?」と言う事を聞かれる方がいらっしゃいます。
その答えは「他の歯」を悪くする、「他の骨」や、「歯茎」に対して「他の関節」に対して、悪い影響を及ぼさないので在れば、抜かなくてもいいかも知れない。

しかし、「他の歯」に対して悪さをする、「他の関節」を痛めてしまう、そう言うものに関しては、その部分が残ったとしても他が崩れてしまいますので、今ある他の噛み合わせが崩れてしまいますので、それはない方が良いと思います。

親知らずがどれほど噛み合わせに悪影響を及ぼしているか

せっかく矯正治療したのに、「こんなに歯がガタガタになってしまった」そう言う事をお悩みで来られる方がいらっしゃいます。

  • 「昔は綺麗だったのに、こんなに前歯がズレてきた」
  • 「上の歯が飛び出て来た」

「親不知(おやしらず)」が原因だった、というケースはすごく多いです。

余談ですが、吉本歯科医院に虫歯治療なり、歯周病治療なり、何かしらのお悩みでお越しになられた患者さまの多くが「親知らずが悪さをしているので抜きましょう」という話になるケースが多いです。

「虫歯で歯医者に来たのに、親知らずを指摘された」と、ビックリされる患者さまがこれほど多い歯科医院も日本全国どこを探してもうちくらいだと思います。

親知らずがどれほど噛み合わせに悪影響を及ぼしているか

そのことを噛み合わせの専門的な立場から痛いほど理解しているからこそ、私は患者さんにお伝えし続けております。
そのような理由で吉本歯科医院では、親知らずは抜歯をおすすめしております。



「親知らずを抜かずに放置していることによる弊害について」-院長吉本彰夫

「親知らず」について吉本歯科医院、院長吉本彰夫の考えをお話します。
お伝えしたいことは、「親知らずを抜かずに放置していることによる弊害について」です。
意外にも知られていない「親知らずの悪さ?」をお伝えしていきます。

さて、あなたはご自身のお口の中に「親知らず」が何本残っているか、ご存知でしょうか?
もともと「親知らず」が生えてこない人もいますが、だいたいの人が上の左右に2本、下の左右に2本、計4本の「親知らず」が生えてきます。

そこで「親知らず」についてですが、ひょっとしたらあなたはこんな風には考えていませんか?

親知らずは痛くなければ抜かなくても良い。
または、生えてきてから抜けば良い。

「親知らず」に関しては、本当に患者さんからよくご質問を頂きます。

「親知らずは抜いた方がいいんですか?」
「親知らずは置いておくと将来使えるんですよね?」
「親知らずは抜かずにほうっておくとどうなるんですか?」

また、「親知らずを他の医院で抜かれてしまったんです」そんなことで私の医院に来られる方も多いのです。

親知らずは抜いた方がいいのか?抜かなくてもいいのか?をお話する前に、「親知らず」とはそもそもなぜ「親知らず」と言うのか?についてお話します。

親知らずは8番目の歯になります。
かつて昔は、この8番目の歯はあっても良かった時代がありました。
歯の本数は「親知らず」4本分増えますから、28本+4本で全部で32本になります。
歯の本数は1本でも多いほうがいいじゃないか!そう思われますよね?

親知らずはだいたい20歳~40歳頃までに生えてきます。
ですので
説1.「親元を離れる頃に生えてきて、親が知らない」
説2.「生えてくる頃にはすでに親が死んでいる」
などと言われています。

今と違って、昔の人の寿命は長くて50歳、平均寿命は40歳前後でしたし、30歳代で死んでしまう人だって少なくはありませんでした。

さて、 「親知らず」は
痛くなければ抜かなくて良い
生えてから抜けばいい
おいておいたら将来使えるかもしれない
歯が抜けたらその部分に自分の親知らずを移植するかもしれない

だから、抜かずに置いておきましょう、 とおっしゃられる先生もいらっしゃいます。

私も大学時代には「親知らずは悪さをしなければ抜かずに置いておいてもいい」と教えられました。

今でも大学によってはそのように教えていると思います。
しかし、私吉本彰夫は、親知らずに関しては「99%の場合悪さをするので、抜いた方がいい」と考えています。

親知らずは8番目の歯になります。
その8番目の親知らずですが、その手前の6番目の歯、7番目の歯と同じようにまっすぐ出てきたならば、そのまま抜かずに置いておいてもいいと思います。

また、残念ながら親知らずがまっすぐ生えて出てこられるほどの顎のスペースを持つような骨格の方は、今の現代においては非常に少なくなってしまいました。

顎の成長発育というのは「噛む」ことによっても得られますが、舌の力、いわゆる顎を内側から外側へ押し広げる力、食生活の内容、これによって日本人の体型、そして骨格は急激に変わってしまいました。

親知らずがまっすぐ生えて出てくるような顎のスペース、つまり余裕はないのです。

こんな状況ですので、ほとんどの方の親知らずは曲がっております。

当院で「この親知らずは曲がっているので、抜いた方がいいですよ」というお話をしたとしても「以前、他の医院さんで、まっすぐ生えているので大丈夫ですよと診断を受けた」いう方もいらっしゃいます。

残念ながら、目でみた表面的にはまっすぐに見えたとしてもレントゲン上ではまっすぐではないことが非常に多いのです。

また、親知らずがもうすでに飛び出てきていることも多いのです。
ですので、そのまま置いて、まっすぐなのでいいと判断しても仕方ないような方もいらっしゃいます。

しかし、残念ながら親知らずはものすごい勢いで出てきます。
飛び出していきます。

ちょっとでも歪みがあれば、それは他の健康な歯にものすごい悪さをします。
もし可能であれば10代のうちに親知らずを抜いていただきたいと思っております。

吉本歯科医院で矯正治療、いわゆる歯並びを治す治療、小さいお子さんが歯がガタガタで噛めないとか、そういう場合には将来、矯正装置をはずす前に「親知らずを抜く」ということが条件です。

「親知らず」を抜かない、ということであれば、矯正治療をスタートすることはできません、と、そこまで申し上げています。
それはなぜか?

詳しくお話する前に、まずはレントゲンの見方、からお伝えしたいと思います。

レントゲンの見方

吉本歯科医院では、お越しになられる全ての患者さんに対して、レントゲンの見方をお教えしております。

ご自分の歯のレントゲンをご自分で正確に見ることができれば、
「ああ、私はまだ骨はあるな」
「ここは、もう骨が溶けているな」
ということが一目瞭然です。

どうぞご自分の歯を守るために、レントゲン写真の見方を知ってくださいね。
レントゲン写真はどこの歯医者さんでもお医者さんでも同じですので、一度見方を知れば後々の人生で必ず役に立ちます。

レントゲンの見方に関しては当院のカウンセラー森下が説明のベテランですので、ここからはカウンセラー森下によるレントゲン講座でお送りします(^^)

こんにちは、吉本歯科医院カウンセラー森下はるみです。
レントゲンってはっきり言って、なかなかわかりづらいですよね(泣)

レントゲン写真はいわゆる「白黒写真」ですし、「ここが虫歯です」とご説明しても、一般の方には「はあ、ええ…」という感じで首をかしげながら見ていらっしゃいます。

話は変わりますが、3年前他界した私の父が病院でレントゲン写真を撮ったとき医師が「ここに影がみえるでしょ?これが肺ガンです」って言われたのですが、その時も私はいまいちよく分かりませんでした。

レントゲン写真は見慣れているはずなのに…。

「そうか、歯のレントゲンを見る患者様も、同じ経験をされているんだ…」と思いました。

ちょっと、わかりづらいかもしれませんが、私のレントゲン写真などを見ながら、少しレッスンしてみましょう。
これ(下写真↓)は私の歯のレントゲン写真です。

まず、歯科のレントゲンでは、
(1)かたい物が白く写る
(2)かたくない(穴が空いているとか、骨がないとか、神経血管の通り道とか)ところは黒く写ります。


大きい人、小さい人はいらっしゃいますが、左手と右手の大きさ、形がぜんぜん違うという人はいません。

つまり、左右対称的です。これをまず覚えてくださいね。
口の中でのかたいものとは歯・骨・金属の詰め物などです。
かたくないものとは虫歯、根の中にある神経・血管の通り道などです。
また、レントゲン写真からは肉眼では見えない歯茎の中が分かります。

さて、このレントゲン写真で解説しましょう。
これは左下の奥歯です。
印を付けている歯は6歳臼歯といい、その名のとおり、6歳頃に生えてくる歯です。

歯茎の中(骨)には根っこが二つ見えてます。
奥歯は強く噛むために根っこが数本ありしっかりしています。
ここでは根っこが二股大根のように二本ありますね。

根っこの周りに白くぶつぶつのように見えるのが骨です。
根っこが二股に分かれているところの間が黒くみえますね。
奥歯との間も黒く見えますね。
ようするにそこは骨吸収が起こっています。

※骨吸収とは破骨細胞によって、弾力や固さを失ってしまった古い骨が分解され壊されていくことです。

一方、新しく骨がつくられることを骨形成といい、骨はこの吸収&形成を絶えず繰り返しています。
加齢などにより両者のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回るようになると、骨量が減ります。

さあ、ここで改めて質問です。

歯は一体何で支えられていると思いますか?
答えは「骨」です。
例えば畑に大根が植わっているとします。
大根の周りの土が少ないと大根は倒れ、最後は自然に抜けますよね。

歯も同じで支えてる物(骨)が少なくなると歯茎もやせ、ガタガタ動いてきて最後は抜けてしまいます。

ご参考までに、私の歯の写真も見てみましょう。

2本の前歯のはっきりした白いものは、セラミック人工歯です。
向かって右側の奥歯2本が倒れるようにあるのがよくわかります。

ちなみに、これを抜いて現在、吉本歯科医院にてインプラント治療中です(^^)。
歯が骨から抜けたままにしておくと、このように手前に倒れてきます。

そうなると噛むことができなくなり左と右など全体のかみ合わせのバランスが崩れてきます。
恐がりの私は数年ほっといていたため左ではほとんど噛めていませんでした(反省(>_<))
というわけで、今回これではダメだ!どんどん崩れると思いインプラント治療をしました。

向かって右下に見える白いのがインプラントです。
手術から約数ヶ月今はなにもせずただただインプラントが自分の骨とくっつくのを待つだけです。(*^_^*)

さて、なぜ患者さんにレントゲンの見方を覚えて頂きたいかというと、私は毎日たくさんの患者さんにカウンセリングをさせていただいています。

その時に必ずレントゲン写真を見ながらお話するのですが、多くの患者さんは「今まで歯医者へ行ってこんな写真撮ったけどここまで説明してもらったことはない」とおっしゃいます。

そうですよね。
歯医者に行く時ってだいたいが何かの原因で歯が痛いとか歯石を取りたいとか、ですよね。
一般的な歯科医院では患者さんが訴えられるところだけの治療のみで終了というところも多いと思います。

たとえ全体が写る歯科用のパノラマレントゲン写真を撮ったとしてもその部分だけの説明をする。
でもよく考えてみると、レントゲン1枚の中にはいろんな診断の情報が診えます。

肉眼では見えない歯茎の中の骨、むし歯、顎の骨など、今、症状は出ていない場所だけど、今の自分の状態が今後どうなのか知ることが重要じゃないでしょうか?

だってレントゲン1枚だって費用はかかっているのだから・・・。

せっかく撮るのですから患者さんが自分で医師に質問できるぐらいになればいいなと思うのです。
当医院の院長吉本彰夫は「患者さん自身が悪くなっているところと重症度が分かることが大事だ」という考えなので、私どもでは常に研修をしてカウンセラー、歯科衛生士、受付全てのスタッフが患者さんへのパノラマレントゲン写真の説明をできるようにしています。

あまり詳しく説明するので「あなたはドクターですか?」と聞かれることもあります(笑)。
例えばむし歯にしても大きさによってレントゲンに写っている黒い影が違います。

患者さんは、むし歯は、すぐ削らないといけないと思っている方が多いです。
しかし削らなくてもいい、進行しないむし歯もあるのです。

でも、むし歯よりも怖いのが歯周病や噛み合わせが原因で歯槽骨(歯を支えている骨)がなくなることです。

特に噛み合わせが原因で骨吸収が起こる(骨が溶けていく)ことを患者さん自身が分かるはずはありません。
なぜなら症状が出ないからです。

歯周病は歯茎が腫れたり、出血したりと痛みの症状がでます。
しかし、噛み合わせが原因で痛みがでることは、あまりありません。
そこで早期発見できるのがレントゲン写真なのです。

【症例 1】上下前歯の骨吸収・・・Aさんのレントゲン写真を見てみましょう。

左右の下の奥歯がなく、上下の前歯の骨が少なくなっています。
Aさんは、初め下の前歯の隙間が気になる。
奥に入れ歯を入れたいとご相談に来られました。

レントゲン写真で説明させて頂いた時、前歯の骨が無くなっているとは、思いもよらなかったようで、それが「噛み合わせ」が原因なんて全く予想外だったようです。

そうですよね。
歯が骨で支えられているとか、噛み合わせの負担で骨が少なくなるなんて考えられないですよね・・・・。
ほとんどの患者さんがご存知ないように思います。

そこで当医院では、レントゲン写真を見ながら、今のお口の中の現状を必ずお話させて頂くようにしています。
当院で治療する、しないに関係はなく・・・現状を知っていただくことによって患者さんの歯に対する意識が変わると思うのです。
どうぞ知って下さいね。

さて、
Aさんの状態を確認した後、当医院の院長の診断は以下の通りでした。
「噛み合わせ」と「歯周病」と「奥歯に歯がないこと」の三つの事由が要因ではないかと思われました。

(1)「噛み合わせ」
本来、物を噛む歯は、奥歯(4番、5番、6番、7番)です。前歯は噛み切るぐらいです。
しかしAさんのように両方の奥歯がないと食事をする時には、前歯で、噛んでしまいます。
前歯は細い根っこなので物を噛むためにつかっていると負担がかかりすぎてしまいます。

(2)「歯周病」
歯周病菌などの悪玉菌が歯の表面に付き歯槽骨(根の支えの骨)を溶かしていく。

(3)「奥歯が抜けている」
歯は前後的に上下的に隣の歯とあたっているからそれ程ずらされません。
Aさんのように奥にスペースがあると歯は動きやすくなり前歯に隙間ができたり歯が斜めになったり、上の奥歯が落ちてきたりします。

■吉本歯科医院での治療
マウスピース矯正で歯を揃え、その後、奥に入れ歯を入れました。

このように、レントゲン写真から導きだせることは本当にたくさんあるのです。
患者さんご自身が、ご自分の状態をはっきりと理解することができれば選択できる治療もまた変わってくると思います。
私たち吉本歯科医院では、こうして日々、患者さんに、正しい理解をしていただくためにレントゲン写真の見方をお伝えしています。
わからないことは、どんなことでもご質問下さいね。

親知らずが健全な歯並びを悪くし、かみ合わせを悪くします。

さて、レントゲンの見方が分かったところで、本題である「親知らず」について続けてまいりましょう。

「親知らず」というのは真正面から数えて8番目の歯になります。
あなたは、ご自身のお口の中に歯が何本あるかご存知でしょうか?
歯は、上下左右7本ずつです。
通常は7本×4で28本しか歯はありません。

しかし、「全部で28本あるから、まあ、1本2本抜けても」とお考えになられる方って本当に多いんですよね。

「親知らず」というのは8番目の歯です。
日本人の骨格的な話しをすると、8番目の親知らずが手前に並んでいる6番7番と同じように真っすぐ生えてきている方って、実は私見たことがないんです。

今まで患者さんのお口を何万人て診てきたわけですが、「この親知らずは抜かずに置いておいて良かったね」という人は、何万人のうちほんの数人です。それぐらい少ない。

「親知らず」がこういう風に斜めに生えてきた場合どうなるのか。

イメージ的には満員電車を思い浮かべていただくとイメージしやすいかと思います。
東京や大阪に行って、朝の通勤ラッシュの時間帯に電車に乗ってみてください。

満員電車に乗っていて例えば隣り合う人との間にカバンが挟まったとします。

そのカバンてどうでしょう?スっと取れますか?
取れませんよね。
この状態がお口の中でも起こっているんですね。

「私は毎日ちゃんと一日3回一生懸命歯ブラシをして掃除してます」とみなさんおっしゃられるんですが、歯と歯の間っていうのは、ものすごい窮屈ですから詰まったゴミは取れないんです。

歯ブラシをしても取れない。
歯間ブラシをしても取れない。
また、フロスも使っていない方の方が多いです。

フロスは非常に有効な歯と歯の間の清掃道具です。 私が日々使っているフロスはこんなものです。

歯と歯の間は、フロスでなければバイ菌を取り除くことは、できません。
もし、私が歯ブラシかフロスか?どちらが優先か?と質問されれば迷わずフロスを取ります。

それほど、重要なものです。
親知らずに押されて歯と歯との隙間にはどんどんバイ菌がはいり、そのバイ菌は取れないから何度治療してもどんどん悪くなっていきます。
よく何度治療しても同じところが繰り返し悪くなると訴えられる患者さんは、本当に多いです。
満員電車の中に、頑張って立っていることを想像して下さい。

なんとか潰されないように倒れないように踏ん張って立っています。

でも、次々に駅に停まる度に通勤客が乗り込んでくるわけです。
その場所でじっと立っていられますか。

テレビでみたことありますよね?
ダダダーッって流されますよね?
全部押しつぶされます。

これと同じことが口の中でも起こっているんです。

「親知らず」がある限り、何度詰めなおしても被せても、強い力が加わりますので、はずれてしまうのです。
一生続きます。


歯は日々わずかですが毎日動いています。
数ミクロン単位で微妙に動いています。
全ての歯は一生動き続けるんです。

診療室で実際に患者さんの歯に指を当てて頂いて実感して頂くまではみなさん一様に「えっ?歯って動くんですか?」と驚かれます(笑)

歯は一生動き続けます。
矯正治療したから大丈夫。
歯周病治療したからもう大丈夫。
なんてこと、歯には絶対ないのです。
一生歯は動き続けます。

ですので、歯が動かないように、噛み合わせのいい場所で固定し続けてやるということがとても必要になってきます。

そのために私は夜、眠る前には必ず噛み合わせを固定するために、歯を動かないようにするために専用のマウスピースを装着します。

一番歯が動きやすい時間帯が、夜、寝ている時間だからです。
無意識に歯軋りをする時間帯が、眠っている時間です。

満員電車と同じことが口の中で起こっているとお話しました。
キュウキュウの中に閉じ込められますので、一番弱い人が弾き飛ばされます。
その流れによって一緒に動かされていきますよね。

つまり親知らずは後ろから前、後ろから前へと押すことによって何が起こるのか。
手前の歯と歯の間ここがまずやられ、そして前方へ前方へ押されます。

まず8番目の手前7番目を押し、6番目を押し5番目を押し4番目を押し2番目1番目、一番弱い1番目2番目の歯ってものすごく押されてしまいます。

とても多いご相談で、中学校高校生位の時には、下の前歯はきれいに並んでいたのに、
30代、40代になって下の前歯がズレてきた奥に入っていった
前に飛び出てきた
上に飛び上がってきた。
特に、40代後半になって、前歯が一気に前に飛び出したり、奥にずれたり歯並びが崩れてきた。

これは一体どうしたことか?

このような患者さんとても多いです。

そういう方はまずは「親知らずはどうか?」そういうことを含めて疑ってみるべき必要があると思います。

それはパノラマレントゲンという大きいレントゲンを撮ればすぐに分かります。
さあ、いかがでしょうか?
だんだんと「親知らずを抜かずに置いておくことの恐ろしさ」がおわかりいただけてきたでしょうか?

「噛み合わせ」に深く影響を及ぼしていることの一つが実はこの「親知らず」なのです。

歯にはそれぞれ役割があります。

あなたのお口の中にある歯は、親知らずを除くと、全部で28本あります。

そして28本、すべてが「形」も「大きさ」もまったく違います。
歯は28本なんですが、その28本、1本たりとも同じ「大きさ」「形」は無いんですね。
驚きですよね?
ここは、重要なポイントなので忘れず覚えて下さいね。

歯には、28本「形」「大きさ」がそれぞれ全く違う、いう事は、このことにどんな意味があるかお分かりになりますか?

それぞれの歯の持っている役目、役割、機能が違うと言う事です。
28本のうち、2本や3本歯が無くなった、でも噛める、いいじゃないか!
と思いますよね。

もちろん噛めるかも知れない。
でもそれは、なくなった歯の代わりを代償する歯は実はどこにもないのです。
バランスが崩れてしまうのです。
神様が人間というものを本当に完璧に作り上げているんですね。(^^)

歯が28本有るという事で、私は噛み合わせの事を「おみこし」で例えたりします。

28本、上下で14本づつで28本、左右だと7本7本、上下左右7本づつです。
7本7本7本7本で、28本です。

つまりおみこしで、片方に7人、片方に7人、合計14人でおみこしを支えている。
その様にお考え頂いたら良いと思います。

その14人、全員が元気な14人ではございません。

大人もいれば、子供も居ます。大きい人もいれば、小さい人も居ます。
大きい人ばかりであれば、大丈夫かも知れませんけど、残念ながら小さい人もいる訳ですね。

下の歯の前歯を見てみましょう。

下の歯の前歯は、小さいですね。
先が尖っていますね。
根っ子は細いですね。

1本ですよね。
ではこれを立ててみましょう。

立たないですよね(――;)
すぐ倒れます、棒ですから。すぐ倒れちゃいます。

つまり私が例えとするところでは、歯と言うのは、畑に大根が植わっている様に、骨の中に植わっている、もっと言い換えれば、砂の山に棒が刺さっている状態だとお考え下さい。

そこに力が加わると、スキマができ、最後に棒は倒れて行きますよね。

では次に奥歯を見ていきましょう。

ものすごい役目をします
…家で言う大黒柱です。
噛み合わせの面は臼状をしていて、根っこが3つ、あります。


つまりこの奥歯は力を支えることが出来る、カメラの三脚のように自分で立っていることが出来る。

その様な構造になっています。
それに対して前歯は、根っこが1本ですから、その様な力を支えることは出来ません。 倒れるだけです。

つまり人間というのは、臼状の部分(奥歯)、ここで力(体)を支え、噛む事をし、磨り潰すという事をする訳です。
では前歯は?…そんな力はありません。

草食動物、肉食動物、その両方を持ちえる事が出来たのが人間なんです。
奥歯で支え、奥歯で磨り潰す、しっかりと奥歯で支える。

そして前歯は、奥歯で噛んだ時当たらない、当たらないと言う事がものすごく大事なのです。
前歯にはそもそも、自分で力を支える、噛む事をする、その様な能力、そのものが無い訳ですから、その前歯で噛んでいたら何が起こるのか・・・。

当然、出っ歯になっていきます。
だんだん崩れて行きます。

いきなり揺れだしてあっという間に抜け落ちてしまう場合もあります。
そのうち歯は、倒れて行きます。
ドミノ倒しの様に崩れて行く訳です。

なので、バランスが必要なのです。
噛み合わせのバランス、つまり、顎のバランスが崩れる、ということは、全身のバランスをドミノ倒しのように崩していくんですね。

知らなかったでは済まされない重大な問題が「噛み合わせ」には隠されていることが多いのです。
「親知らず」は、噛み合わせを大きく崩すだけでなく、顎関節周辺を圧迫しますのでそのことにより神経をも圧迫してしまうこともあるのです。

実際に、私どもにご相談にお越しになられた患者さんが「親知らずを抜いた」ことにより、

■耳鳴りがなくなった
■めまいがしなくなった
■顎が動きやすくなり、顎関節の症状がなくなった
■口を開けるのが楽になった
■長年悩まされていた手の痺れがなくなった
ということをおっしゃられる患者さんは実に多いのです。

また、大人になってから歯並びが崩れてきたという方も『親知らず』を疑ってみる必要があります。

■下の前歯がズレてきた
■奥に入っていった
■前に飛び出てきた
■上に飛び上がってきた

それはパノラマレントゲンという大きいレントゲンを撮ればすぐに分かります。

レントゲン写真は
(1)硬い物が白く写る
(2)かたくない(穴が空いているとか、骨がないとか、神経血管の通り道とか)ところは黒く写ります。
(3)大きい人、小さい人はいらっしゃいますが、左手と右手の大きさ、形が全然違うという人はいません。つまり左右対称です。
これをまず覚えておいて下さいね。


親知らずが他の歯に与える影響

親知らずによって歯が後ろから前方へ押されて、歯と歯の間に詰まったバイ菌を取り除くことができなくなります。

歯と歯の間が虫歯になってしまいます。
歯と歯の間が壊れていきます。
歯に詰め物や被せ物を何度しても外れて隙間が開き、その隙間からバイ菌が侵入して悪化していきます。
強い力がかかって、一番弱い前方の小さな歯が押し出されます。
お口の中にある歯の中で一番弱い歯。

それは前歯です。
40歳前後を過ぎた頃から、ある日突然、上の前歯が飛び出てきた。
あるいは、上の前歯が崩れてきた、ということはありませんか?
数あるご相談のうちのひとつです。
「若い頃はきれいだった歯並びがだんだん崩れてきはじめた」
ということです。

「親知らず」は歯を1本や2本動かすだけじゃないんです。
全部突き飛ばされて一番弱い子が弾き飛ばされます。
みんなが群れになってもかないません。
これが「親知らず」の力です。

そして歯の形態ですが、とっても頭でっかちなんです。
歯の根っこよりも上側に目に見えている部分の方が大きいでしょう?

親知らずの当たり所が悪ければ、グニッグニッて歯は持ち上げられてしまいます。
私たち人間というのは、肉食であり、草食であるので、カチカチ噛むだけじゃなくて、すり合わすということをして噛んでいます。

診療の中で私が患者さんに「上の歯と下の歯をすり合わせて下さい」と言うと、
「えっ?すり合わすってどうするんですか?」
と驚かれる方、本当に多いんです。
「すり合わす」ということが出来ない人ってかなりいるのです。
あなたはいかがですか?

上の歯と下の歯をカチカチ合わせることしか出来なくて、この状態が当たり前と思っている方、かなりいらっしゃるんです。
実は「すり合わす」ということをキチンと出来ていなければ、ゴマすりのように野菜などを十分磨り潰して食べることはできません。
かたまりのまま飲み込むことになりますので、胃や腸にものすごい負担を強いてしまいます。
ですから、上と下ってカチカチ噛み合うだけでなく、「すり合わせる」という「上と下が面として」動けなければいけないわけです。
しかし、歯並びが崩れ、こんなに波打っている状態だったとしたらガタガタしていて噛めませんし、バランス的にも強度的にも耐えられません。
もちません。
そうするといろんなことが起こります。

【症例 1】「親知らず」の影響で歯を支える骨が溶けます。

具体的にはどんなことが起こるのかと申しますと
このレントゲン写真は40代の方です。

8番目が親知らずです。
横に向いて生えていますね。
親知らずの手前の歯7番目、その手前の歯6番目、どうなっているでしょう?

6番目は斜めに倒れて、かつ、上に上がっていますね。
親知らずに押し上げられているんですね。
このレントゲン写真でもう一つ重要なことが、あります。
それは、親知らずのすぐ手前の7番目の歯の根っこをご覧下さい。

歯を支えている骨が溶けているんです。
レントゲン写真というのは硬いところが白くうつります。
5番目の歯の根っこのあたりは歯の根の周りがまだもや~っと白くうつっています。
これは「骨」が写っているんです。
しかし、7番目には、骨が、ない。


さらに6番目の根っこの7番目よりのあたりまで骨が溶けています。
7番目の歯を支えている骨が全然ないのです。
6番目の歯を支えている骨が後ろ半分ないのです。
ということはこの7番目の歯はグラグラに揺れています。
抜かなければならないということです。
ほっといてもそのうち勝手に抜けます。

「親知らず」を抜かずに放置しておいたために、その「親知らず」が横に押し上に押し、さらにこの7番と8番の間に溜まったバイ菌が取りきれないわけです。
ここはどんなにご自身で歯ブラシをしても、フロスをしてもばい菌を取りきること は出来ません。

我々プロフェッショナルによるPMTC(歯の予防治療)でも取り除くことは本当に難しいのです。

バイ菌は、どんどんどんどん根の奥に押し込められるわけです。
どんどんどんどんバイ菌はここで繁殖していくわけです。
どんどんどんどんこういう風に骨が溶けてなくなる。

日本人が歯を失う原因の一位は、「歯周病」です。
歯周病とは、歯を支えている骨が溶ける病気のことです。
歯を支える骨が溶ける原因は3つあります。

(1)口の中の細菌によるもの(細菌感染)
(2)噛み合わせから起こる過剰な力「破壊的な力」
(3)(1)と(2)の組み合わせによるもの

(1)のお口の中の細菌が原因で骨が溶けるのは理解しやすいのですが、(2)の噛み合わせによる「破壊的な力」が原因で骨が溶けるということは患者さんはもちろん歯科医師ですら重要視していない方がいらっしゃいます。

歯を支えている骨がどんどん溶けてしまう、これって恐ろしいことだと思いませんか?
「親知らず」を抜くか抜かないか、置いておくかどうか?
「別に残り28本あるからいいじゃないか」、そんな話しではないのです。
「親知らず」は抜かずに放置しておくと、他のご自身の健康な歯を殺してしまうわけです。
また、「親知らず」は残しておいても斜めになっていますので、「噛む」ということに関してはそんなに役に立たないわけです。

しかも6番目、見えにくいですが、歯を支えている骨が根っこの後ろまでないのです。
「親知らず」のせいで、その横の7番目の歯が駄目になったので7番目だけ抜い・・・・では話しはすまないのです。
7番目、6番目、そして8番目、下手したら3本抜かないといけない。
そういう風に将来広がって行きます。
「親知らず」を抜かずに放置しておいたためにです。

【症例 2】「親知らず」の影響で他の歯が押し出されます。

さて次のレントゲンをご覧下さい。
親知らずの手前の7番目の歯、上に飛び出てますよね。

グイグイグイと「どけどけどけ!」と。
いまだにこの「親知らず」活発です。
このままほっといても7番目は抜けてしまいます。
「親知らず」が原因で7番目の歯が勝手に抜けちゃうわけです。
飛び出て行っちゃいます。

30代、40代になったから「もう私、親知らずなんて関係ないわ」
50、60代になって「もう体力ないから抜きたくないわ」なんておっしゃられる方がいますが、親知らずは抜けなくても、ご自身の健康な歯が親知らずの悪さによってどんどん抜けていってしまいます。

歯が揺れだすか、腫れるか、何かしらの悪さを始めます。
年齢に関係ないということです。
ですから、親知らずは、早いうちに抜いた方が絶対楽なのです。
傷の治りも腫れも若い時の方が楽です。
60代でやむなくヒィーヒィー言いながら抜かれる方を見ていてそのように感じます。

また将来、歯がなくなれば、新しく歯を増やす治療、インプラントすればいいやとお考えの方も注意が必要です。
ほとんどの骨が溶けてなくなっていらっしゃる患者さんも多いのですが、最終的に骨が残っているのは前歯部分になるのですが、この部分だけだとバランスが悪かったり強度的な問題が出てくることがあります。
この時に親知らずがある上顎結節と呼ばれる部分だったり、下の奥骨を利用できれば、とても安定性の良い構造体にできます。
しかし、親知らずが残っているということは、そこには骨が無いということになります。
このようにして噛み合わせが崩れていく前には、歯がズレていってガタガタになったり、飛び出していって勝手に抜けたり、揺れたり本当にいろいろなことが起こります。

以前、私が講演会でお話させて頂いた時に、ものすごく共感を得た内容がありました。
その時は講演会に、少林寺拳法の方が来られていました。
スポーツをされている方にはとても理解できる内容だったんですね。
「先生、おっしゃること、本当によく分かります」と特に共感を頂きました。

【症例 3】スポーツ選手などに「親知らず」が与える影響

このレントゲン写真をご覧下さい。

スポーツをされている方です。
こういう症例は実は本当に難しいんです。
この写真を見ると、ほとんどきれいな歯なんです。
白く光る部分がほとんどありません。
ところが、1本だけ、2本だけ、歯科治療をされていました。
そして、この歯は根っこの治療までされています。

ほとんど虫歯なんかない。
治療なんかしたことすらない。
でも必ずいつも同じ歯が何度も悪くなる。
左上の歯は神経まで治療されています。
1回目や2回目の治療で神経まで治療されません。
ほとんどの歯を綺麗に磨いて、この歯だけ磨き残しをできますか?
口の中は感染症です。

口蹄疫でも、たった豚1頭の感染の疑いで悲しいことに飼育の3882頭殺処分となりました。
この1本だけ感染症で他の歯は感染症にならないなんてないんです。
つまり細菌が原因ではないため、どんなにお掃除しても再発するのです。
こういうケースは、柔道とか空手とか少林寺とか格闘系の方やゴルフのように瞬間的に大きな力がかかるスポーツに多い気がします。
「親知らず」があって、その手前の歯が押し出されて、歯が飛び出て段差ができてるんです。
なんで歯はこんなに本数がいっぱいあるのか。
必要なのか?

100キロ200キロって力がかかるわけです。
これがスポーツ選手のように筋肉のある方は上の6番目の歯が突然割れてくる、欠けてくる、そういうことまで引き起こされていきます。
歯なんか磨かなくても虫歯なんか1本もできなかったといわれる方で、親知らずによって噛み合わせが狂って突然歯が欠けてくる。割れてくる。
大きい荷物は大勢のいっぱいの歯で力を分散して、みんなで力をわけわけして支えるというのがすごく大事なわけです。
実質歯はいっぱいあるんですけど、頑張ってるのはこの2、3本だけなんです。

本来はこういう風になってます。

頭頂を中心としてコンパスで円を描くような弯曲、上下がほぼ同じ弯曲、上下の弯曲の隙間が均等に空いていて、噛んだ時にピタッと合う。

本来はこのようになっているので、磨り潰しができます。
ところが、さきほどのレントゲンを見ていただくと、ダメージを受けている歯の部分だけ間隔がすごく狭いんですね。

反対側の親知らずの部分も狭いですね。
例えると、8人で担がないと担げないお神輿があって、8人いるんだけど、実質1人や2人が頑張ってて、あとはいるだけでサボってる(笑)。
そんな状態です。

だから、ここばっかり頑張っている。

何回も割れるんです。
何回もダメになります。
他は悪くない。
他は全然悪くない。
歯を磨いてないから、歯が磨けてないから歯がダメになると思ってる方多いでしょう。

歯科医師でもそう思っている方多いんです…。
ここだけ歯を磨かないなんて出来ないですよ。

磨けてない人は、実は全部の歯が磨けてません。
隣り合う歯も磨けていません。
だから、ここは感染症ではなく、この歯だけの原因による問題なんです。
これは下の「親知らず」が原因となります。
スポーツ選手でも筋肉は鍛えているけど、歯を鍛えていらっしゃる方を聞いたことがありませんし、歯は鍛えられないのです(――;)

歯というのは頭でっかちです。
8番目と7番目、歯というのは頭があり根っこがあるんですけれども、頭でっかちなんです。
7 番目の首根っこのへっこんだところに8番目の歯が突っ込んできたらどうなるでしょう。

頭でっかちが7番目の頭でっかちの下に潜り込むような形になってきます。
ですので、このままじっとしておいてくれたらいのですが、ところが親知らずは出たがりです。
手前の歯が引っかかったままグイグイグイと押し上げます。
そうすると7番目6番目が噛み合わせの位置がだんだんと飛び出てくるわけです。

時代劇のテレビでよく忍者が壁を登る時、どうしてるでしょうか。
ピョンと飛んで登れない時どうしてるでしょうか。
誰か一人が壁際に立ち手で足場を作り、そこへ忍者が走って行き、その人によって上にポンと放り上げられることによって塀を乗り越える、そういう風になっていますよね。
それと同じようなことが歯でも起こるんです。

手前の7番目6番目の歯が突き上げられて飛び上がっていくのです。
この7番目6番目が飛び上がってくると何が起こるんでしょうか。
全体が均等に噛めていたにもかかわらず、その飛び上がっていたところだけが最初に当たってしまいますよね。
先に当たりますよね。
そこを「早期接触」と専門用語では言います。

そこに当たりますから、その相手の上の歯がどんどんダメになっていきます。
上の6番目7番目がその力にとって支えることが出来なくなっていきますので、揺れていきます。
上の骨と下の骨は骨の硬さが違います。
上の骨は非常に柔らかく、下の骨は硬いのです。

そして下の6番目7番目は、その8番目の歯によっても支えられています。
つまり非常に下の歯は頑固な強固な状態です。
ですから上の歯が揺らされます。虫歯なんか1本もなかったという方が、突然歯が割れてきた、などもそうです。
上の6番目、7番目が揺れていってしまうのです。

この早期接触があると、均等に楽に噛むことが出来なくなりますので、無意識に顎をこねるようにして動かすようになります。
そうすると顎の関節つまり顎関節に無理な力がかかり、これが原因で顎関節症になられる方も多くいらっしゃいます。

顎関節症の患者さんで親知らずを抜くと顎が楽になった、左右均等に噛めるようになった、とおっしゃられるゆえんであります。

【症例 4】「親知らず」の影響で神経が圧迫されます。

次のレントゲンです。

わかりやすく手前の7番目の歯の後ろ側の根と神経血管部分にラインを引いています(本来は右の歯のように神経血管が通っているトンネルの状態ですので、黒い線となって写ります)。

「親知らず」8が6、7に対して横にむいてきてるわけですね。
今後どうなると思いますか?

神経が圧迫されて痛いのです。
横に倒れていますから、自然に待っていても絶対生えてきませんね。
ほっといても上向きに出てこないですから、生えてきたら抜きましょう、歯茎に隠れてるから抜くのたいへんですから、腫れますからっていって置いておくと、こんな風になってしまうのです。

どうなってしまったか?
わかりますか?
親知らずによって、手前の歯の神経がちょんとブチ切られていますよね。
昔のゲームに「パックマン」ってありましたよね。
そんなイメージでしょうか。
食べられてしまっています。ものすごく痛がりますよね、この患者さんは。
とても痛いと思います。
歯の神経血管は顎の後ろから顎骨の深い部分中を通って歯の根から入っていきます。
ここをちょんと切られるわけですから、とんでもなく痛いのです。

「何とか歯を残してください、親知らずを抜きますから」と患者さんはおっしゃいました。
しかし、すでに7の神経が切れていますから、指が切れて落ちてるわけですから、死んだ人をよみがえらせてって言われても残念ながら手遅れなのです。
無理なのです。なので、「親知らず」は他の歯に影響が出る前に抜いたほうが良いと私は思っています。
また、磨けない磨きにくいということも分かると思います。

磨けないということによって何が起こるんでしょうか。
8番目と7番目の歯の間に汚れが溜まっていきます。
そこが磨けないので腫れていきます。

これを智歯周囲炎と専門用語では言います。
「親知らずが腫れて痛いんです!」と言われる方のほとんどがこれであります。
ですので親知らずを抜かないといけないという診断になるわけです。
これが、この時に抜けばいいんです。
けれども実はそうなった時には抜けないんです。
腫れてますから。
腫れてる時って歯は抜いてはいけない、抜けないんですね。

なぜかといいますと、麻酔が効きません。
麻酔をパンパンに腫れているところにしますと、パンパンの風船にさらに空気を入れ込んだらどうでしょう、バーンと弾け飛びますよね。
圧力がかかって、バイ菌がさらに奥に押し込められてしまいます。
そのようになりますので、そんな弾けてるところに麻酔薬を注射したら、ものすごい激痛になります。
…読んでいるだけでも痛そうでしょう?(泣)

麻酔という名の下にものすごい痛みになってしまうわけです。
このような状態では痛くない麻酔はできません。
我慢していただくしかないのです。
「こんなに痛いのに先生ひどい!なんとかしてよ!」と言われても、痛み止めのお薬を処方するしか方法がないのです。
ですから通常腫れているときには、腫れを薬で抑えて2、3日から1週間待ってから歯を抜く必要があります。

また、腫れてると言うことは、つまりうっ血している状態ですから、そんな状況で歯を抜いたらどうでしょうか?
ダムの決壊と一緒です。
血が止まりません。
健康な歯茎ではないわけですから、一気に血が溢れ出してしまうわけです。
抜いた後に血が止まるか止まらないか、これも大事な問題です。

ただ抜けばいいという問題ではありません。
その抜いた後キチンと血が止まるのか、痛くないのか、きれいに傷が治っていくのかどうか、それも抜くということにおいては大事なことです。
ですから、そのように腫れてしまった場合には、化膿止めや胃薬や痛み止めや腫れ止めなどを飲んで腫れを引かせて、それから抜く。
ということが身体にやさしい治療となります。

また抜くにあたっては親知らずの根っこの場所、位置によっては、その根っこの先が神経や血管に近い場所にあったり、鼻の部屋に潜り込んでいたり、することがあります。
この場合には口腔外科の専門医において抜くことをお薦めしております。

レントゲン上では透けて見えますから、神経血管の位置と根っこの位置がズレていても、重なっていてもすべて同じ写真に見えてしまいます。
神経、血管の位置と根っこの位置がまったく外れていても、右にいようが左にいようが、重なっていようが、神経と根っこが絡みついていようがレントゲン上では全く同じ写真に見えてしまうのです。
レントゲン写真を見て、それでもって歯を抜きやすいのか、抜きにくいのか、そういう正確な診断はつかないのです。
ですので、そういう風にたまたま当たる人、1%とか何千人に1人とかかも知れません。

しかしながら、それに当たった人は残念、不幸なことになります。
ここで「平面写真」と「現実の立体物体」の差について、写真を交えて説明します。
下の写真をご覧下さい。

正面から撮影した手ですが、指が2本見えています。

違う方向から撮影したら指は3本うつっています。
さらに一本目と二本目との間隔は開いていますが、二本目と三本目との間隔はほとんどないことがわかります。

このようなことが現実に歯科の治療現場で起きているのです。
このように平面画像で見た場合だけでは、実際の物体がどうなっているのかを正確に診断することができないということが言えます。
平面写真やパノラマレントゲンの写真だけでは「抜いてみないとわからない」「インプラントを埋めてみないとわからない」ということが現状です。
親知らずを抜いた後はどうなるのでしょうか?
ズラされてしまった7番目や6番目、はたまた正面の小さな前歯たち、どうなると思いますか?
元の位置に戻ってくれると思いますか?
これ以上倒れないでそのまま残ってくれると思いますか?
イメージしてくださいね。

家にトラックが突っ込んできました。
大黒柱にぶつかって、大黒柱が傾いて今にも倒れそうです。
トラックはさらに加速しようとエンジンをふかしています。
大黒柱が、6番目7番目の歯に相当し、トラックが親知らずだとお考え下さい。
8番目の親知らずを抜きました。
トラックを除けました。
いかがでしょうか?

大黒柱は元のまっすぐな位置に戻るでしょうか?
大黒柱は重い屋根を支えています。
大黒柱が傾いた家で、地震が来たらどうなるでしょうか?
常に噛む力がかかる訳です。
当然、傾いた大黒柱が元の真っ直ぐな状態に戻ることもなく、倒れていきます。
倒れないようにするために補強が必要です。
場合によっては、起こし上げることが必要になることもあります。
ただトラックが常に押し続けるという状況は回避されていますので、倒れるスピードは緩やかになります。
早めの抜歯をお勧めします。

また、親知らずが手前の歯の骨を溶かしていた場合、手前の歯を押し壊して穴を開けていた場合,抜いた後はどうなるのでしょうか?
寒い朝、寝起きに布団を引っ張りはがされた状態をイメージしてみてください。
私も真冬の朝に「起きなさい!遅刻です!」と言われ布団をはがれる瞬間に、「ひ~~」と叫びたくなるほどつらいのですが、すごく寒いですよね。
腫れた歯茎があったことによって、冷たい水や空気に触れずに済んでいたのですが、悪いものがなくなりますので、当然しみたり痛んだりします。
それは抜いた傷が治ってから検討することになります。

残念ながら、神経を取らなければ日常生活が困難になられる方もいらっしゃいます。しかしそのようなデメリットを考えてもそのまま置いておくデメリットよりも将来的に手前の歯が残るというメリットは大きいと思います。
大きいパノラマレントゲン写真で現状を確認しておくということが本当に大切なことなんですね。
2回にわたってお話してまいりました「親知らずを抜かずにおいておくことの怖さ」です。

いかがでしたでしょうか?
どうぞ知って下さい。
お口の中のことを。
治療の主人公は、歯科医師ではなく、患者さんご自身なんだということを。
自分の体は自分で守れるということを。

私の医院では、「100%親知らずの抜歯」をおすすめしております

また、抜歯についてですが、歯科口腔外科で、抜歯を専門になさっている先生をご紹介しております。
※ 日本赤十字病院 歯科口腔外科
※ 香川県立中央病院 歯科口腔外科

そして、親知らずを抜いた後、本格的な吉本歯科医院での治療をお受けくださる、このような流れを取らせて頂いております。

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